東大の頭脳に挑戦! 「平安京エイリアン」:ゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」(1/3 ページ)
今回は、たかわんさんとプリオシンさんのリクエストで、「平安京エイリアン」(電気音響)を取り上げてみます。当時は「スペースインベーダー」や「パックマン」に匹敵する有名なゲームでしたが、その割に家庭用ゲーム機にあまり移植されていないんですね。
ゆかりの場所でプレイしてみると……
今年、創立130周年を迎えた東京大学。本郷キャンパスの前にやってきた。
「平安京エイリアン」は、“東大生が作ったゲーム”として話題になった。そこで今回は、東京大学の前で、ゲームボーイ版の「平安京エイリアン」をプレイしてみた。
安田講堂を見ながら、エイリアンと追いつ追われつの駆け引きを展開していると、なんだか東大そのものに頭脳戦を挑んでいるような気になってきた。「平安京エイリアン」は一応アクションゲームだが、この場所でプレイすると、思考型ゲームとしての側面が強く感じられる。
先日、東京大学相手に5回までパーフェクトピッチングを披露した斎藤佑樹投手にならって、ステージ5までのノーミスクリアを狙ったのだが、残念ながらそのステージ5でゲームオーバー。
あと「平安京エイリアン」だから、京都にも行ってみようと思っていたのだが、実は6年前にわたしは某サイトで、まさにそんな企画をやったことがあって、それとかぶるんで今回は行かなかった。
ちなみにそのときは、「京の都をエイリアンから守らなければ」という意識が強くなり、ゲームの主人公・検非違使(けびいし)に感情移入しやすかった。
東大前でプレイすると、ゲームをふかんで見る視点になり、京都でプレイするとゲーム内からの視点になる。ゲームをやる場所が、意外とゲームへのスタンスに影響を与えるというのがわかって、おもしろかった。
穴を掘ってエイリアンを落とせ!
「鳴くよウグイス平安京」の西暦794年以来、京の都は1200年余りの歴史を刻んできた。平城京と同じく、唐の長安の都をモデルにしており、道路が碁盤の目状に規則正しく延びている。
「平安京エイリアン」は、フィールドが平安京のように縦横の道で区切られていることから名づけられた。平安京にちなんで、主人公は「検非違使」(けびいし)。平安時代、京都の街の治安を守るために置かれた官職の名前である。
「平安京エイリアン」がPC用ゲームとして発表されたのは1979年(アーケードに登場したのは翌1980年)。
当時のゲームのタイトルは、「スペースインベーダー」、「ギャラクシーウォーズ」、「ギャラクシアン」など、オールカタカナのものがほとんどだった。そんな中で「平安京エイリアン」という、漢字を含むタイトルは新鮮だった。
都に出没したエイリアンを倒すのが、「平安京エイリアン」の目的だ。
といっても「スペースインベーダー」や「ギャラクシアン」のように、ミサイルを撃って倒すわけではない。検非違使は道路に穴を掘って、エイリアンが落ちるのを待つ。落ちたところで穴を埋めて、エイリアンを倒すのだ。
だいたい「穴を掘って敵を待つ」というのは、城や街を守るときの戦法であって、普通は攻めには使わない。それを唯一の攻撃手段にしたことで、「平安京エイリアン」のプレイ感覚は、ほかのゲームとかなり違う、独特なものになっている。
はじめのうちは、自分の周りの道に穴を掘ってエイリアンを待つ、守備的なプレイが一般的だろう。穴に落ちたエイリアンを埋めながら、少しずつ穴を遠くに移し、自分の動ける範囲を広げていく。
しかしエイリアンの数が少なくなると、待っててもなかなか来ないので、攻めに転じる必要が出てくる。
あまり時間がかかりすぎると、エイリアンが突然、大増殖を起こしてしまう。こうなるとどうしようもないので、その前に何とかエイリアンを全滅させなければならないのだ。
かくして、残り1匹〜2匹となったエイリアンを追いかけ回す戦法に切り替えることになる。……それでも攻撃手段は、「穴掘り」しかないけれど。
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